新型コロナで下痢が起きるメカニズム

論文

Diarrhea during COVID-19 infection: pathogenesis, epidemiology, prevention and management
Ferdinando D’Amico et al.
Clin Gastroenterol Hepatol. 2020 Apr 8;S1542-3565(20)30481-X. doi: 10.1016/j.cgh.2020.04.001. Online ahead of print.

新型コロナウイルスと関連した下痢について、疫学・臨床所見・分子メカニズム・管理・予防を調査したイタリアからの報告です。

方法

PubMed/EMBASE/Web of Scienceの2020年3月までのデータを対象とし、新型コロナウイルス感染と確定診断された患者の下痢と腸管炎症のメカニズムについて検討した。

下痢が起きるメカニズム

  • 新型コロナウイルスは細胞への侵入経路としてACE2とTMPRSS2を使用している
  • ACE2とTMPRSS2は肺・小腸上皮に発現している
  • ACE2は上部食道・肝臓・大腸にも発現している
  • 新型コロナウイルスのACE2への親和性はSARS-CoVと比較して10-20倍高く、よりウイルスが細胞内へ侵入しやすい

その他

  • 全体の下痢の頻度は10.4%
  • 呼吸器症状に下痢が先行する症例も認めた
  • 便中のウイルスは鼻咽頭スワブよりも長期間検出されたとの報告もある
  • 現在の下痢に対する治療方法は対症療法のみであるが、いくつかの有望な治療法について現在調査されている

コメント

メカニズムの部分は遺伝子・タンパクが絡んでしまうので難しかったかもしれません。 簡単に言うと、SARSウイルスに比べて、新型コロナウイルスの方が消化器系に入り込みやすいという話でした。 治療薬関連の下痢も否定できませんが、下痢も1割に認めるとの結果であり、便中ウイルス排泄期間も長いため、便の取り扱いにも注意が必要です。

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