【新型コロナ】唾液PCR検査の実力

論文

A. L. Wyllie, et. al. Saliva is more sensitive for SARS-CoV-2 detection in COVID-19 patients than nasopharyngeal swabs. medRxiv preprint

現在、新型コロナウイルスのPCR検査は鼻咽頭スワブ(鼻から棒を入れて検査する方法)が標準ですが、

  • 検査キットの不足
  • 医療従事者の採取時感染リスク
  • 防護資材の不足
  • 検査時の侵襲(痛み)

等の問題があり、アメリカでは既に唾液を使用したPCR検査が開始されています。
日本でも2020年5月中に唾液PCR検査が認められる方針とのことで、どういった成績が出ているのか、気になるところ。
プレプリントの報告ですが、唾液検査の有用性についての論文を紹介します。

COVID-19陽性例44例を対象とし121検体を採取した研究です。
陽性症例は鼻咽頭スワブ46例・唾液39例。

1.唾液の方がウイルス量が多い

  • 鼻咽頭スワブと唾液のSARS-CoV-2の力価(ウイルス量)を比較すると唾液の方が力価が5倍高い
  • 鼻咽頭スワブと唾液両方を測定した患者(38例)で比較しても、唾液の方が力価が高い。

2.唾液の方が感度が高い可能性

  • 両方測定した患者では、唾液陽性/鼻咽頭スワブ陰性は8例(21%)、唾液陰性/鼻咽頭スワブ陽性は3例(8%)
  • 唾液の方が感度が高い可能性がある

3.唾液の方が検査陰性になるまで期間を要する

検査陽性患者で複数回再検査を行った所、鼻咽頭スワブと比較して唾液の方が長期間ウイルス量が多く、検査陰性となるまで期間を要した。

4.唾液検査では再陽性がいなかった

  • 検査陽性患者で複数回再検査を行った所、鼻咽頭スワブは検査陰性の後に再陽性となった症例を5例(33%)認めた
  • 唾液では再陽性は認めなかった

コメント

鼻咽頭スワブと比較し、唾液の方がよりウイルス量が多く、感度が高い傾向にあるようです。 また長期間ウィルス量高値が持続しており、唾液では検査陰性後に再陽性となった症例はなかったとのことで、より正確に隔離や退院の判断ができる可能性があります。

唾液ならば今後、自宅検査キットでの大規模検査も可能になるかもしれません。今後に期待です。
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